【詩】風が背中を押すとき

風が背中を押すとき

静けさが、部屋を満たす
賑やかだった夏の色が
壁に滲んだ影になる

朝、窓を開けると
冷たい空気が、頬を撫でる
夏の間、焦がれてばかりだった
何かを、失くした気がした

それでも、
空には高い雲が浮かび
アスファルトの隙間から
知らない草が顔を出す

心はまだ、あの熱を覚えているのに
季節はもう、次の物語を始めている

大丈夫、と、誰かが囁く
私の背中を押すように

風が、そっと通り過ぎていった


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